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【ニュース】連載コラム第2回-高槻大輔さん「つながりの新生の必要性-企業に必要な資本と共益投資-」

2012年03月07日

つながりの新生の必要性 -企業に必要な資本と共益投資-

2012/2 高槻 大輔

もうすぐ東日本大震災から1年が経とうとしています。私自身も一人の人間として大きな衝撃を受けましたが、何かしら被災地の復興に役に立ちたいと思いながら、気づけば一年という方も多いのではないでしょうか。

私は海外協力と国際機関関連の仕事を経て、10年ほど前からグローバルで最大級の投資ファンド(alternative asset manager)で勤務しています。勤務先では、日本企業への投資を担当し、投資先の発掘から投資実務、投資後は役員として投資先の経営をサポートするなどの業務に幅広く携わって来ました。また、投資先支援の経験を活かしてNPOや社会起業へのサポートにも積極的に取り組んでおり、東北においても複数のプロジェクトに関与しています。

さて、投資(買収)ファンド業界は1970年代に米国で活発化し、1990年代後半から2000年代前半からは日本でも活動が本格化しています。リーマン・ショック以前は米国におけるM&Aの1/4以上が投資ファンド関連だったこともあり、資本主義の最右翼的な扱いを受けることもあります。現状では大手の投資ファンドは急速にグローバル化しており、競争も激化する中で、従来以上に投資後の経営支援による企業価値の向上や、「良き市民」としての社会責任への意識が高まっています。また、日本においては、欧米に比しても、株主価値だけではなく、従業員や取引先、地域社会を含めた多様なステークホルダーへの配慮と共生が求められていると言えます。

東北共益投資基金も、目的は違えども私の勤務するファンドとの共通点がいくつもあります。まず、返済義務のない資金を集め、これをエクイティという形でリスクが高く、なかなか他の調達手段では十分な資金を集めにくい状況に供給すること。次に、資金提供は始まりに過ぎず、エクイティ出資後の事業成長に向けた経営サポートに多くの時間と労力を費やすこと、そして最後に、投資期間が終了した後も投資先が成長を遂げて行くことで、社会全体の成長や変革に資することを意識していること、が挙げられます。これらはいずれも個人の力だけで成果が出る話ではなく、まさに多くのステークホルダーが付加価値を理解し、それぞれが出来る役割を果たすことで多面的に課題が解決されていくこととなりますし、その中で東北共益投資基金が中心的な役割を果たす局面も多く出てくるはずです。

東北地方の復興はまだ道半ばであり、むしろ震災後一年を経て、復興に向けた課題の複雑さや困難さが一層明らかになりつつあるようにも見えます。そのような中で、東北共益投資基金のような革新的な取り組みは一つの突破口になるのではないかと、心から期待しています。

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