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【ニュース】連載コラム第6回-宮城県中小企業団体中央会・渡辺秀己さん「協同グループ化での新たな展開の可能性」

2012年05月10日

協同グループ化での新たな展開の可能性

渡辺 秀己(宮城県中小企業団体中央会 連携推進部次長)

(はじめに)

 このたびの大震災は私たちにかつて経験したことのない程、そして想像を絶する程の大きな被害をもたらしました。そして、今なお原子力事故による放射能汚染の影響は終息することなくその被害は拡大しています。過去に何度となく地震・津波を経験している私たち東北人ですが、今回の大震災にはまったくといっていい程対応できずに悔しい思いをしました。

 しかし現在、私たちは日本全国からの物心両面にわたる温かいご支援をいただき、東北人特有の粘り強さを発揮して復旧・復興に向けて少しずつ歩み始めています。この場をお借りして御礼申し上げます。

 さて、被災地が復旧・復興を進める中で重要なキーワードの一つに「協同グループ化」があります。今回はこの「協同グループ化」について被災地の現状を踏まえてお話したいと思います。

(協同グループ化について)

 従来、協同グループ化は終戦直後より、主に大企業に対する中小企業の生き残り(スケールメリットを活かした共同事業の推進)のための方法論として活発に行われてきました。現在では、協同組合、協業組合、商店街振興組合等、11種類の組合約4万組合が全国で活動しています。一方で協同組合等の協同グループを取り巻く環境は、バブル崩壊、IT革命(経済のグローバル化)、リーマンショック等により大きく変化し、従来のスケールメリットを活かした共同事業の方法論に変化の兆しが表れ始めています。

 こうした中、今回の大震災は協同グループ化の意味を改めて見つめ直す大きな転換点となりました。3.11以降、協同グループ化は復旧・復興への積極的なアプローチ、そして新たな発展への挑戦のための方法論として「新たな協同グループ化」の模索が始まったのです。つまり、同業種の連携組織によるスケールメリットの追求から異業種連携によるシナジーの追求へとシフトしてきているのです。

 被災地復興というと漁業や水産業、農業等の再生ばかりに目を奪われがちですが、東北はもともと高齢化や過疎化の進行した地域でもあり、放射能被害の克服も含め、成熟した安定社会を実現することが、日本各地や20年後の米国や中国その他諸外国を睨んだ先進モデル形成のチャンスでもあります。実際、東北の各地では水産業や観光業の再生のための協同グループ化や放射能の除染のための協同グループ化の動きが活発ですが、高齢者に対するに対する介護福祉分野、資源リサイクルに係る分野での協同グループ化も活発になっており、こうした今後の東北の在り方を見据えた取り組みに期待しています。

 また現在、被災地では国、自治体、支援機関、金融機関等が連携して支援を行っていますが、企業の事業再生計画の策定や金融支援において、二重ローンの問題や事業再生計画の妥当性が大きなネックとなっています。

 こうした中での東北共益投資基金の方々の取り組みは連携の新たな方法論として大いに注目しています。それは私どもも被災地の復旧・復興を進める上で企業の再生が必要不可欠であると考えるからです。

 東北共益投資基金は被災地再生のキーポイントとして、新たな地場産業モデルの創出を第一に掲げており、企業再生を促すとともに、償還された資金を被災地で懸命に働くNPO等を支援する大変ユニークな取り組みを行う方針です。そして、支援先企業の選定には、その効果が最大となるようサプライチェーンの連結ピンをターゲットに積極的な支援を展開しています。このように、東北共益投資基金の取り組みは行政やNPO、ボランティアそして義援金とも違った新しい形の支援として、依然として混沌とした東北の空の雲間から差し込む一筋の光のように被災地に降り注いでいるのです。

 さて、この震災は大変悲惨なものではありますが、他方で、またとないチャンスが巡ってきたとも言えます。(被災された方にはそのような場合ではありませんが・・・) それは、繰り返しになりますが東北の復旧・復興に寄与する介護福祉、環境リサイクル、食糧等の分野の問題を克服することが、今後間違いなく世界で必要とされる技術であり、システムであるからです。こうした事業の推進にあたり、協同グループ化は大変重要な考え方であり、震災を契機に新しい連携の形となって復旧・復興に寄与すると思います。

 私たちは、こうした志を抱き復旧・復興を目指す方々を他の機関と連携して応援して参ります。

 最後に、東北そして日本全体の復旧・復興を願い、また、積極的な支援を展開されている東北共益投資基金の方々に敬意を表したいと思います。そして私どもも引き続き中小企業支援と地域の振興に尽力して参りますのでよろしくお願いします。

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