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レポート

熊本基金

草原再生オペレーター組合

2019年08月15日

熊本県および阿蘇市の基幹産業である農業と観光業の基盤を支える雄大な草原の保全と活用に寄与することで、熊本震災からの産業復興に貢献することを目指して支援を行っています。

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組合概要

阿蘇の草原は、採草や放牧利用と野焼き・輪地切りによる管理作業によって維持されてきました。しかし、過疎化・高齢化により未利用の草地が拡大し、野草地の灌木化や野焼きの危険性が高まっています。

当団体は、阿蘇の草原で未利用となっている野草について、阿蘇市と共同のNEDOの委託事業「バイオマスエネルギー地域システム化実験事業 草本系バイオマスのエネルギー利活用システム実験事業収集運搬システムの実証検討業務」で、野草を供給する組織かつ阿蘇の地域資源である草を活用した冬場の農閑期における新規事業として平成18年に発足。その後実験事業は平成21年度で終了しました。当時は再生可能エネルギーの買取制度もなかったため、阿蘇市単独でのエネルギー事業継続を断念しましたが、収穫した野草をマテリアル(素材)利用することで事業継続を図るため、野草の堆肥や飼料利用について、パンフレットやホームページによる情報発信で需要創出と販売を促進し、売上を伸ばしてきました。平成24年に草原再生オペレーター組合に名称変更し、新たなメンバーを募集しつつ、未利用野草の利活用の流れを継続。農閑期の雇用を確保し、地域活性化と草原再生、また担い手育成の両立を目指して活動しています。

支援ニーズ

日本最大の半自然草地の残る阿蘇地域の採草を行うことにより、雄大な景観とその保全が可能となり、また採草された草を、飼料や堆肥用の資材として持続可能な形で活用することで、地域資源の有効活用による農業の振興につながります。基金JAPANでは、熊本地震からの産業復興に貢献すべく、被災した阿蘇の基幹産業である農業・畜産・観光関連従事者への支援として、当組合の採草機材の購入費用に対して資金支援を実行しています。

経営課題

事業開始当初(12年前)に導入した採草機器の、度重なる故障により作業効率が大幅に低下していたことが大きな問題でした。

支援概況

事業拡大のために必要不可欠であった採草機器(タカキタロールベーラー・クーンディスクモア)を基金JAPANの支援で平成302月に導入。以前より効率的な採草が可能になっています。

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成果イメージ

阿蘇の基幹産業は、農業以外にも観光業が主力産業であり、雄大な草原景観は阿蘇地域にとっての重要な観光資源です。採草した野草を販売することによる農家所得の向上、野草堆肥の活用による農産品のブランド化、観光業の基盤維持など、様々な事業成果が期待されています

投資先コメント

野草の売上は、平成22年度に販売を開始して以来、7年連続で伸びていましたが、当初導入した採草機器が老朽化していました。特に、刈り取った野草をロール状に梱包する「ロールベーラー」が頻繁に故障し、作業効率が大幅に低下していました。このロールベーラーの買い替えに必要な資金を支援していただいたことで、平成30年の春、新しい機器を購入でき、作業効率が大幅に改善しました。 現在はおかげさまで、採草した野草の確実な販売はできるようになっています。

その中で、次に向き合うべき課題として、利益の確保があります。

元々の事業の目的が「草原をできるだけ刈り取ること」なので、現在はあまり採算に走りすぎず、経済性に合わないところも刈っていますが、 GPSやGIS等を利用し、採草地ごとの特性を把握した上でより効率的に採草してコストダウンを図ったり、国に制度をつくってもらうべく働きかけを行ったり、付加価値を高めて価格帯を上げて販売し、補助金なしでも事業として成立させることも必要だと考えています。

GPSやデータ利用などにはさらに資金が必要となるため、すぐの動きはなかなか取れませんが、付加価値の部分では、最近、野草に含まれる善玉菌の研究が進んでいて、この善玉菌が農作物の病気を予防したり、連作障害を防ぐ可能性が佐賀大学の研究者より指摘されており、有機農業を行っている農家にとって、貴重な農業資材となる可能性が広がっています。県もシンポジウムを行ったりと発信し始めているので、このファクトを活用した訴求にも、今後力を入れていけたらと思っています。

また、組合員がもっと増えると、採草面積の拡大にもつながっていくため、組織基盤の強化にも力を入れていきたく、今後もぜひ多面的な支援をお願いできましたら幸いです。(事務局長 中坊真氏)


 

 

 

 

 

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