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レポート

雄勝硯プロジェクト

硯産業の創生に向けて-現地パートナーより

2012年02月14日

東北共益投資基金では、雄勝硯プロジェクトを進めるにあたり、現地パートナーとの協働体制を構築し、復興への動きを加速させています。「スタートアップミーティング」でもご登壇いただいた、現地パートナーの(株)ゼン・大里倫弘代表。その大里さんからの現地レポートを、皆さんにお届けします。

雄勝硯生産販売協同組合」では、3つのフェーズ(段階)に分かれた復興計画を策定しています。(1)生産基盤整備(2)採石機能復旧(3)販売戦略の3フェーズのうち、販売戦略以外の計画策定は完了し、現在は、最低限の生産基盤整備に取り組んでいます。

さらに、第1フェーズの中で、①皿・工芸品のミニマム(最低限の)生産機能稼働、②生産体制(設備)強化、③硯生産本格稼働の3ステップを想定し、①は手作業ながらすでに稼働しており、現在は、②職人の皆さんが使われる設備機材の調達に注力しています。
 
職人の皆さんが使われる設備機材は、大きくは、母材(雄勝石)の掘削・採石に使われるもの、(採石した母材の)裁断に使われるもの、加工に使われるものの3種類に分かれます。
震災から生き残った設備機材のうち、利用できるものは修理し、一部は配備を完了しています。その他、修理中、稼働確認中のものもあり、たとえば、加工段階で使う荒彫り機、レジンダー(研磨機械)などは未だ修理中ですが、裁断の段階で使うダイヤモンドダブルカッターは、雄勝町外の業者による修理が終わり、すでに作業場に設置され、近々使用できる状態にまでなりました。
新規に調達すべき機材も、協同組合の持っているルートのほか、当基金の設立者である、公益社団法人Civic Forceのネットワークを活用し、随時、調達に入っています。一部は調達が済んでいるものの、たとえば、掘削・採石の段階で使う大型重機(ダンプ、ユンボなど)は、中古品の調達を前提としていますが、希望する車種がもともと流通量が少ないものであることに加え、復興需要もあって市場の在庫が薄く、半年以上、時間を要しているものもあります。
これらの設備購入費用は、第3次補正予算で設けられた補助金(獲得決定済み)も得て調達する予定ですが、2011年度末の購入が条件となっており、購入に向けて、鋭意準備を進めています。
 
また、震災直後から雄勝町に入られていたボランティアの皆さんの協力のもと、瓦礫から引き上げた母材在庫を、現在は、全行程を手作業により加工生産し、順次出荷しています。たとえば、皿や工芸品の加工工程にある「粗磨き(あらみがき)」は、本来であれば特殊な研磨機を使用して行うものですが、研磨機の調達に時間がかかっており、現在は職人の皆さんが手で研磨しています。
 
なお、商品の一部を仮設プレハブ内のブースにて、展示販売しています。
 
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「雄勝の硯産業創生」という共通目標のもと、現在、同組合の理事長・澤村さんをリーダーとし、雄勝町に残った3名の組合員、5名の組合職員の皆さんが、会社組織の垣根を越えて諸作業を遂行しています。組合員の皆さんの中には、仮設住宅での生活となっている方もおられますが、暖房器具・お風呂などは完備されており、今のところ、寒さは問題ないとのことです。
ただ、震災により、現在、やむなく町を離れている組合員の方もおられ、廃業された方、避難先で硯生産の再開に向けて活動中の方、すでに再開されている方など、状況は様々で、やはり被害の大きさが感じられます。
テレビなどで雄勝のニュースを見聞きした方々から、引き続き、多くの問合せ、注文をいただいております。しかし、現在の生産能力には限りがあり、心苦しくも、お待ちいただいている状況です。
 
雄勝町では、昨年末に、旧石巻市役所支所前広場に仮設プレハブ(硯組合も事務所および一部作業場として使用)が設置され、プレハブ内に商店・飲食店がオープンしました。人の流れが生まれ、コミュニティ再建への歩みが感じられます。津波により躯体だけが残った建物に関して、依然として未着手のものも残ってはいるものの、かなり片付ける作業は進んでいます。次のステップとしては、高く積まれた瓦礫の山をいかに処理するのかが課題となっています。
 
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東北共益投資基金では引き続き、大里さんとの協働により、雄勝硯生産販売協同組合とともに、 雄勝町での「共益投資」の実現に向けて、支援を継続してまいります。
 

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