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レポート

森の漁り火工房プロジェクト

自然は裏切らない ~"海・里・山"の恵みを生かした復興のスタート~

2012年05月24日

宮城県気仙沼市・西舞根(にしもうね)地区。牡鹿半島のつけ根にあるこの地区は、牡蠣の養殖など、豊かな自然の恵みに包まれながら人々は暮らしていました。

しかし、東日本大震災によって、住居、養殖施設、船、田畑など生活に必要なモノはことごとく奪われ、そこに暮らす人々は一人残らず、生死をさまよう体験をされました。

一方、松田憲さん(ピースネイチャーラボ・代表理事)は、震災直後から東北に入り、気仙沼をはじめ、南三陸、陸前高田、大船渡などへの支援物資の運搬手配や避難所運営のサポート、漁具の提供など、ありとあらゆる支援活動に動きまわっていました。そんなさなか、松田さんは、西舞根地区で生まれ育った畠山信さん(NPO法人 森は海の恋人・副理事長)と出会います。津波が渦巻く気仙沼湾に飛び込み、無我夢中で泳いだ先にあった気仙沼大島に辿りつき、九死に一生を得る。そんな経験をした畠山さんの話を聞くにつれ、ふたりの間で、「何とかこの西舞根を拠点に、復興の狼煙(のろし)をあげていきたい」という思いが募っていきました。

しかし見渡せば、一面の瓦礫の山。なにから手をつければいいのか途方に暮れたのも無理はありません。そんな惨状でも、ひとつだけ変わらないものに気がつきました。それは「自然の生きるチカラ」です。震災の被害が癒えない傍らでも、草木は芽ぶき、地上には虫たちが現れ、海には魚や貝があふれ、見上げれば鳥が空を舞っていました。

「この“海・里・山”の恵みを生かして復興をしていこう」

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復興のためには、被災した地元の人たちの雇用確保は避けて通れません。自然の恵みを生かした産業を興して、雇用拡大を実現する。そこで目をつけたのが「海産物などの“燻製”加工販売」です。牡蠣やホタテなどの海産物をそのまま販売するだけでは、大きな雇用には結びつきませんが、「燻製」という付加価値を高めるプロセスを用いることで、生み出す雇用数は格段に違ってきます。また、「燻製」に必要な木のチップは、気仙沼の山の間伐材を使うことで、森の健全化にもつながります。

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「燻製が売れれば売れるほど、自然も人も元気になる」。そんなモデルを思い描きながら、2012年4月に、小規模(電話ボックスくらいの大きさ)な燻製庫を3基設置して、燻製のサンプル生産を開始しました。燻製する食材は、牡蠣、ホタテなど地元・気仙沼の海産物をはじめ、卵やチーズ、豆腐の燻製も独特の風味があって、試食した人から好感を得ています。また同時に、販路開拓も進めています。5月の連休には、東京の企業の協力を得て、行楽客でにぎわう千葉県の市原サービスエリアで焼き牡蠣の販売をしたところ、用意した数千個の牡蠣が完売、手ごたえを感じられているところです。

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地元経済に波及効果のある水産加工業を、高付加価値で自然と調和する新しい産業構造に転換すべく、新たな取り組みを始めたピースネイチャーラボが、東北共益投資基金の「復興起業キャピタル」第一号案件です。当基金では、資金の拠出にとどまらず、基金関係者をアドバイザーとして派遣し、事業計画の策定や実施にあたっての経営支援などを行ってまいります。

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